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よー、まいごっど

歴史創作と一次創作。

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ごじゅうきゅう、“奇譚”

 かなり前の本館日記からそのままサルベージ。
 翼角高校奇譚シリーズ(笑)Ⅶ(更に笑)“無色の言祝ぎ”一場面(もう笑うしかない)


■人物■

・本郷大和:主人公。ポジションがとてもヒロイン。
・真宮鷹臣:修験の流れを汲む真宮家次期当主(バレ)
・鬼道ナナキ:七匹の鬼を行使する。鬼道家次期当主。
・玄和:佐波玄和。鷹臣と契約したマイホームパパな烏天狗(バレ)


■場面■

 翼角高校奇譚シリーズはいわゆるひとつの学園ファンタジーであり、全部で七つ、一作につき一つ翼角高校七不思議を絡めた話のようです。ナナキの鬼も七匹なので一つにつき一匹登場。

 妄想としてはBLゲームのノリなので、鷹臣が一応メインの相手のような実は一作目のみ登場の桜がメインのような本当はナナキの物語のような無道って影薄いよね!のような。
 とにかく大事なのはⅠ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅶ作目。なんかちゃんとタイトルあった気がするぞ。えーとⅠが“桜吹雪の影追い人”、Ⅱが“泡沫の扉、幻影の金魚姫”、Ⅲ・Ⅳ未定でⅤが“翼角・イズ・ザ・ワンダーランド?”、Ⅵが“踏歌は終焉を纏い”、Ⅶが“無色の言祝ぎ”でしたか? Ⅰ・Ⅱ・Ⅶはパッケ絵めいた落書きもしたのですが手元にないのでもう何一つ思い出せません。
 無駄に「一作ごとにゲスト攻略がいるんだぜ!」「通りすがりにあいつが出るんだぜ!」などと妄想しておりました。キャラ設定絵とかほぼ全員分完成してます。ウワー無駄ー!

 そんでえーとⅦの一場面ですね。BLゲー妄想で進めていますがエチシーンが入りそうなのは七作目のみという意味のわからん罠。しかも強姦だしな。その後の一場面。全ては妄想。


■話■

 じわりと、陽光が肌を灼く。月の影から陽が再び姿を現し始めたのだろう。日蝕は、終わった。
 指の一本を動かす気力も起きず、よって引き裂かれ散らされた服に手を伸ばすことは適わなかった。二月の屋上で陽に晒される、寒いはずだが肌は麻痺したように何も感じない。ただ耳だけが学校中を包む祭騒ぎの騒音を虚ろに受け止めている。
 ふと、空虚な騒音の中に明確な意思を持った音が混ざった。音は真っ直ぐにこちらへ向かってくる。
 階段を上がり、踊り場で方向を変え、また数段を昇り――屋上、すなわち大和が今いるこの場所へと通じる扉を、開く。
「真、宮」
 わずかばかり眼球を動かして見やれば案の定、現れたのは鷹臣だった。相変わらずの長すぎる錫を携えているが、文化祭というイベントに紛れてそう見咎められるものではないだろう。大和は頭の片隅で、豪く現実的思考を働かせていた。一種の自己防衛に違いなかった。
 肩で息をしていた鷹臣は大和の姿を捉えた瞬間、表情を強張らせる。やや距離のある大和からでもはっきりとわかるほど唇を噛み締め、歩を進める。大和の傍らに膝を着き、無言で抱き起こす。そして脱いだ自分の学ランを無言のまま大和に着せた。
 沈黙した空気に耐え切れず、大和は無理矢理口を開く。
「お、前…クラスの出し物の、」
「そんなことはどうでもいい」
 鷹臣の返事に大和はびくりと肩を揺らした。
 冷たい。
 二月の空気が。触れてくる鷹臣の手が。返された、声が。
 見つめ合う、瞳、が。
「……鬼道だな」
 違うと思った。
 “アレ”は鬼道ナナキではなかった。鬼道ナナキであって鬼道ナナキではないものだった。だから違う。
 そしてこの真宮鷹臣も違う。
 大和の知っている鷹臣は、こんな――渦巻く憎悪を、瞳に、湛えられるような、奴じゃ、ない。
「ち、がう」
「鬼道だろう」
「違う! “アレ”は鬼道じゃなかった!」
「……同じだ」
 憎悪の瞳は大和を置き去りに、空を映す。正しくは、空よりも尚遠い高みから、傲慢に地を照らす、太陽を。
 大和は否定の言葉を吐き出そうとして、しかしそれは喉に詰まる。
「七匹目、だろう」
 ありきたりな言葉でいえば――沈黙は、肯定だった。
 大和の上体を支える腕が一本減る。鷹臣の左腕は彼の制服のズボンのポケットを漁り、皺くちゃに縒れた符を一枚取り出した。頭上に掲げて指を離す。風に攫われる前に、鷹臣の握った錫が捉えた。
 例の呪文めいた文句はなく、ただ怒りを存分湛えた声が、呼ぶ。
「来い――――玄和!」
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